木材の使い方-木材選びの基礎 /木のはなし

日本でよく使われている木材 樹種ごとに異なる性質 木材の使い方

腐らないようにして木を使う
地面に接触する場所や湿気の多いところなどのシロアリに食害されたり、菌類により劣化するような場所では、ヒノキやクリが適していますが、ヒノキがない地方や価格の安いものを使いたいときには、薬剤を使って木材に保存処理を行い、腐りにくくして土台などに使います。なお、保存処理木材や保存処理薬剤は、効力、安全性が確かなものを正しく使わなければなりません。

表面に薬剤塗布することで一定の期間は劣化を防止することができますが、写真のように圧力をかけて薬剤を木材表面だけでなく深く内部に注入した保存処理木材は、野外の厳しい条件下でも長期間、高い耐久性を発揮します。
※左の写真は薬剤が浸潤している状態がわかるように呈色させたもので、実際の保存処理木材の色(基本的には無色)ではありません。

木が腐りやすい場所
  • 床下の土台など日照・通風の悪いところ
  • 外部に接している外壁・軒先など雨露に曝されるところ
  • 台所、トイレ、浴室など水を使うところ
  • 壁の中など内部結露が生じるところ
  • 金物と接し、表面に結露があるところ
  • 北側・西側・東側・南側の順に腐りやすい
  • モルタル塗り大壁構造(仕上げ材で壁を隠す壁構造)は真壁構造(在来の木造住宅の構造)に比較すると腐りやすい
狂いにくくする
木材は含水率が変化すると、収縮して寸法が変化したり、曲がったり、割れたり、カビたりするので、乾燥させてから使う必要があります。さらに、木材は乾燥させると強くなるという性質があります。
どのくらい乾燥した木材が良い?
日本では、使用される環境によって異なりますが、木材の含水率が15%以下になると含水率の変化は小さくなり、狂い、割れ、カビの発生が少なくなります。

乾燥したら強くなる
グラフは、杉製材品(正角)について、生材時に対する各含水率での曲げ強度性能の比を表したものです。すなわち、生材から含水率が約15%に減少することによって、曲げヤング率は11%、曲げ強度は24%程度上昇することを示しています。

木材のいろいろな加工
木材を帯鋸や丸鋸などで切断して形を整えたものが、昔ながらの製材です。木材は、製材のほか、集成材、合板、パーティクルボードといった材料にも加工されています。それらの材料は、製材にはないサイズの柱、梁、板などが作れる、狂いにくいなどの性質を持っています。

例えば、集成材は、乾燥した木材を使うことや欠点が材料内部に分散されることなどで、強く、寸法の狂い、割れなどが発生しにくい材料として、柱、梁など幅広く利用されています。

  参考文献:
 木材のすすめ
 もっと木造住宅を!
 木材がつくる快適環境
 木材選びの基礎
以上、発行 社団法人全国木材組合連合会