前任者の坪内さんからこのコーナーを引き継ぎました。あなたの街の材木屋さんをこれから毎月紹介してまいります。よろしくお付き合いください。 私は以前、生意気にも土佐堀のYMCAで年に1回(5年ほど続きました)木材について講義をしたことがあります。相手 は18歳から20歳までの専門学校生、外国人も混じっていました。そして感じました。若い人たちも木がとっても好きなん だって。さらに驚いたことに彼らのもつ材木屋さんのイメージはまさに時代劇だったんです。時代劇では必ず織物問屋、油問屋と並んで分限者の代表として材木屋が登場し、お代官様から「お前も悪よの〜」と言われつつ「お代官様も」と小判を差し出しながらニヤッと笑う、これが定番ですね。鉄や繊維などの素材産業ほどではないですが木材も一般の人にとってはまだまだなじみが薄いようです。どこで買ったらよいか、値段はいくらか、分かりにくいですね。
前置きが長くなりましたが今回の訪問先は日進木材工業さんです。 大阪市住之江区西加賀屋4丁目、市内から三宝線(新なにわ筋〜津守経由して大和川を越える線)を南に進み北加賀屋の交差点をすぎて住吉川の手前西加賀屋4丁目の信号を東に入ってすぐのところに会社はあります。住吉川を越えて南に向えば東に護国神社、西には住之江競艇場が見えます。 創業当時の懐かしい木造の社屋と工場の姿には郷愁を覚えます。
工場では加工が主だそうです。ベニヤ、OSB(Oriented Strand Board の略。木材から切削した木の葉状の薄い削片を使い、液体接着で圧縮・成形した構造用木質ボードのこと。コルクのような質感でぬくもりを感じさせる。)、パーティクル(木材を細かく削ったり粉砕した小片を主な原料にして接着剤を使って熱圧成形した板。構造材、内装下地等に使用。製材、合板などの廃材を利用して木材の代わりに製造されるようになった。)等々。角材や板材の寸法切りの依頼が多いと言います。加工にも「先付加工(先のとがった加工)」、「くさび加工」、「歯止加工」などがあるそうで、現物を見せていただき大変勉強になりました。「穴も開けるしペンキも塗ります。半分便利屋です」と竹本社長。儲かりまっか?には、「以前はよく儲かったが今は競争が激しい」とのご返事でした。 『仲買組合と大青協の共催セミナーを受講したお陰で木造建築工事事務所を開設、建築・リフォームの世界に首を突っ込んだ。パースが描けるようにとインテリアデザイナー講座にも通った。設計コンペにも応募し、ときには入選した』―いろんなことを経験されています。そのときの経験が趣味の「スケッチ」として活かされているそうです。
「仲買たより」を読んでいると「毎月転廃業が多い。皆さんようもちこたえているなと感心します」と言いながらも、土地売ったりビル建てたりしている材木屋さんも多いけど「木に関することでなんとかやっていきたい」と抱負を語って下さいました。若いころから武道が大好きでまったくの下戸。趣味はさきほどのスケッチと7年前から参加したウォーキングクラブ(1日20〜30キロ歩く)だそうです。
日進木材工業の竹本社長さん、ありがとうございました。