今月のあなたの街の材木屋さん

第79回:汐見木材株式会社(大阪市西区南堀江3丁目)

こんにちは、あなたの街の材木屋さん、担当の桔平です。 さて、今回の取材先は、組合事務所から徒歩で10分とかからない、ご近所の材木屋さんです。現在では南堀江や幸町という地域は、まだまだ多くの材木屋さんがお店を構えてはいるものの、多くの高層のビルが林立し、ブティックやレストランなどお洒落な店舗が目立ち、材木屋さんで賑わっていた過去の様子も徐々に薄れつつあるように感じられてきました。 この地域の中心である道頓堀川は今も満々と水をたたえていますが、かつてのように筏が活発に往来し、浮かんでいる材木を引き上げることもなく、川面には高層ビルの影ばかりが映っているという状況です。 このように、木材業界のメッカともいえたこの南堀江は、その多くが高層住宅群と様変わりし、木材の香り漂う伝統の根を下ろしたこの街にも、確実に新しい風は吹いているといわざるを得ません。 このような周囲の大きな変化の中で、昔と変わらず逞しく材木業に携わる、歴史ある材木屋さんが今回の訪問先です。どんなお話しになるのでしょうか?



 社屋外観  事務所

今回の訪問先は大阪市西区の汐見木材さんです。 こちらの会社の創業は伊勢お陰参りが流行したり、老中水野忠邦が政治改革を行った、天保年間(1830〜44年頃)だそうで、歴史の永さではこれほどの会社は過去の取材先でも記憶にありません。まずは会社の歩みからお聞きすることとします。インタビューに応じて下さったのは現代表者の森下能成(よしまさ)社長です。




 倉庫内に積まれた材料
汐見木材さんの歴史は長く、「大阪木材業外史」(大阪木材業組合、蒲ム業新聞社 共編)という江戸時代からの大阪における木材業の歴史を語る書物の中にも創業者である森下兵助氏の名前が「新興市場問屋」として知られている、と記述されており、戦前より汐見木材の商号で大阪道頓堀川の汐見橋の畔で製材業ならびに市売問屋を営んでおられたそうです。 その後、昭和22年に製材業・市売業を統合し、汐見木材株式会社を設立、法人へと改組されました。当時は仲買業者に対して、製材・市売・付売・加工業者としての販売が主な業態で、その頃より新たに、内地材ヒノキの縁甲材(フローリング)と日本で初めてアピトンフローリング(注1)・ラワンピーリング(注2)の製造卸を始めるなど、日本の材木屋さんでも先駆けの存在ではなかったかと察します。
(注1) アピトン…熱帯広葉樹。土足で歩く事務所やトラックの荷台に使われる。高い耐久性で、湿気に強く腐りにくい樹種。
(注2) ピーリング(材)…素材をピーリングマシーンで皮を剥いた材料。 昭和50年には、会社の市売問屋部門が分社、独立し、製材、フローリング製造部門・製品販売を主に会社が再スタートしていくこととなります。 その間、代表者は、森下金次郎氏から河野正富氏へ継承され、昭和62年には現代表の実母の森下栄子氏が社長に就任することとなります。 その後、平成19年1月に現代表者の森下能成氏が社長に就任することとなります。 それでは、ここからは社長さん個人についてのお話しをお伺いしましょう。




 森下能成社長
森下能成さんは昭和41年に大阪市福島区に生まれた後、西宮市で育ちました。大阪学院高校から同大学商学部に進まれ、卒業と同時に大阪にある大手建材問屋に入社、平成4年から家業である汐見木材さんに戻られました。 趣味は高校、大学時代にされていたテニスとスキーというスポーツマンです。 ただし、「最近は忙しくてほとんどできていませんが…」と口元をほころばせます。一方、仕事で忙しくされている中でも、2男1女のお父さんとして、子育てに奮闘されている子煩悩な一面もある方なのです。 また、平成4年から入会されている、大阪木材業界の若手経営者の会「大阪木材青年経営者協議会」では、木材業界発展のため様々な活動に参画され、平成22年度会長としてリーダーシップを発揮されるなど、業界の若手経営者の中でも群を抜く活躍をされています。 名刺には、汐見木材さんの経営理念  思・緒・美 ― そして創。と記されています。その意味は、「美しい思いを伝える、そして新しいものを創る。」とのことだそうです。思・緒・美と汐見を掛けた、素敵な言葉ですね。森下社長の会話の中の色々な話から、常に木のこと、自社のこと・商売のことを思い続けていることを感じます。




 美しい光沢の無垢ヒノキフローリング
現在、汐見木材さんの主力商品は、国産の桧・杉・赤松の無垢フローリング、無垢羽目板などです。「一般消費者のムクへの関心度は高いが、できるだけお金をかけたくないという理由で離れつつある。中には高級志向の方も一部で見受けられるが、需要層は限られている。健康というキーワードからより多くの消費者に注目していただくために、ムクの良さを訴えかけていきたい。」と森下社長。




 人に優しい「暖テック床暖」
汐見木材さんは、戦後間もない頃より、縁甲板といわれるフローリングを製造し始めた、製造販売会社として、自社製品はもとより仕入商品であっても「品質の安定と供給の安定」を第一に考えておられます。それを念頭に消費者に対して、無垢素材である床壁材を60年近く作り続けてきた経験を生かし、信頼のおける製品を自信を持って販売する真面目な材木屋さんです。 もちろん、木材の専門家という立場から、木材の利活用の仕方をはじめとする様々なご要望にお応えしてもらえますので、どうぞお気軽にご相談下さい。



森下社長、長時間ありがとうございました。



汐見木材株式会社

〒550-0015
大阪市西区南堀江3-16-14
TEL 06-6531-3683
FAX 06-6531-3519

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