今月のあなたの街の材木屋さん

第73回:住吉木材有限会社(大阪市住之江区)

皆さんこんにちは! 桔平です。
今回の訪問先は大阪市の南部、住之江区です。
地下鉄・動物園前駅から阪堺電車(通称:チンチン電車)に乗車して取材先に向うことになりましたが、桔平、実はこのチンチン電車に乗るのは初めてでした。古めかしい小型列車に乗って、築30年は超えていると思われる老朽化した住宅が密集した街並みの中をゆったりと走行しているのを見ていると、慌しい毎日を過ごしている私たちにとって何かホッとする気持ちにさせられます。そんな風景をもの珍しそうに車窓をキョロキョロしている桔平。そんなことで移動時間も退屈することなく、列車は安立町駅に到着しました。駅からすぐの住宅地の一角に住吉木材さんの看板が見えました。

店舗外観
↑ 店舗外観
それでは早速、会社のルーツから話題を進めることとします。応対して下さったのは代表者の近江克史さんです。
住吉木材さんは戦前に祖父の近江辰太郎氏によって近江商店という名称で材木店を創業されました。創業当時は現在の形態とは異なり、建築材料を卸売りする問屋さんとして商売をされていたそうです。戦後、現社長の父上である近江喜一郎氏がシベリア抑留から復員後の昭和22年頃から家業を手伝うこととなります。その頃に業態も卸売業から小売業へと転換し、再出発することとなりました。昭和24年頃には、近江商店から現社名である住吉木材有限会社へと法人改組し、初代社長には辰太郎氏が就任しました。
一方、法人化の後、戦後の復興需要に恵まれるなど順調に事業が発展していく中で、昭和46年、喜一郎氏が2代目社長に就任されました。その当時の取扱商品は、ベニマツ・ヒメコマツ・朴(ホオ)といった樹種の木型用材やラワン・シナ合板などを主力としていました。柱や梁桁などの住宅資材を扱う、いわゆる「屋形屋さん」ではない、木型が得意の材木屋さんだったのですね。

合板の梱包作業の様子
↑ 合板の梱包作業の様子

その後時代は移り、平成3年に現社長の近江克史さんが代表者に就任されます。現在の取扱商品は、住宅建築や店舗改装などに用いる合板やベニヤがほとんどになってきているそうです。確かに倉庫を見渡すと色んな種類の合板がいたるところに配置されています。「合板を主に扱っているので、合板の用途や性能などについては詳しい方かもしれませんね。また、信頼できる仕入先ともつながりを持っているのが当社の強みです。」と近江社長。合板・ベニヤの分野については自信がある専門性に特化した材木屋さんといえそうですね。

近江社長
↑ 近江社長

現社長の近江克史さんは昭和24年に会社から歩いて数分の住吉区墨江で出生されました。2〜3歳頃住之江区安立に移り住み現在に至っている、地元に根付いた材木屋さんです。小さい頃からお父上に連れられて時刻表を片手に色んな列車に乗っていたことから鉄道が趣味で、地元の住吉高校に進まれてからは鉄道研究会に所属。今では日本全国、色んな鉄道の写真を撮られているようですが、「私は元々乗りテツだったんですよ。」と近江社長。仕事の必要性に駆られて建築中の住宅の写真を撮るうちに写真も趣味になり、今では野鳥や鉄道写真の作品も数多く、桔平にもその作品の数々を披露いただきました。
また、西洋の歴史、とりわけ、近代・現代西洋史も好きで、中でも数々の名言を残したことでも有名のイギリス元首相 ウィンストン・チャーチルは小学校6年生の時に、ウィンストン・チャーチルの第2次大戦回顧録をテレビで観て以来尊敬しているのだそうです。

たくさんの合板が積まれている倉庫内
↑ たくさんの合板が積まれている倉庫内

これからの事業の方向性についてお伺いすると、「私と親しい同業者の方からも建築、特にリフォームの分野に進出していることをよく耳にし、興味はあるものの、新しい事業としては一歩踏み出せていない状況である。」と慎重な姿勢を示される近江社長。
一般消費者に対しては、自社が得意分野としている合板、とくに先代が得意先よりヒントを得て考案、開発・商品化した「曲げ合板」など住宅はもとより様々な生活の分野で利用されている様々な合板の素晴らしさを知っていただきたいとのことでした。


曲げ合板について説明する近江社長
↑ 曲げ合板について説明する近江社長

ここで合板についてのちょっとした基礎知識を紹介します!参考にどうぞ。

【シナ合板】
表面にシナ材を使用している合板。木質が緻密で木肌が滑らかな特長を持ち、塗装しやすく美しく仕上げることができる。用途が限られており、テレビやステレオのキャビネットなどの家電や高級家具、調度品に利用される。

【曲げ合板】
単層の板を同じ繊維方向に貼り合わせ、曲げることができるように対応した合板。曲げ加工のし易さから、椅子の背もたれや楽器、住宅や店舗などの曲面部分のコンクリート型枠に利用される。

近江社長、長時間ありがとうございました。

住吉木材有限会社

〒559-0003
大阪市住之江区安立2-5-14
TEL 06-6671-5428