今月のあなたの街の材木屋さん

第48回:桝谷木材株式会社(門真市下馬伏)

こんにちは!三平です。

今月の「あなたの街の材木屋さん」は門真市下馬伏140の桝谷木材(株)さんです。京阪電車なら大和田駅下車となりますが、今回は車で伺いました。中央大通りを東へ生駒方面に向い中央環状を過ぎて南中野を左折する行き方と、国道163号線の巣本交差点を右折する方法がありますが、土曜日だったのですがとにかく渋滞しました。

外観
↑ 外観
最初に迎えて下さったのは会長の桝谷嘉男さんです。昭和4年5月生まれ、79才。すこぶるお元気です。

桝谷木材さんのルーツからスタートします。桝谷家は代々奈良県吉野の山守(今で言う林業家)だったそうです。遠い昔の江戸時代に京都から吉野へ山守としてやってきたのです。山を管理しつつ植林も行い、家も建てたのです。「吉野の材木屋は木材の商売とともに昔から家も建てていた」と桝谷会長。自分ところで大工や木挽(こびき)職人も抱えていたそうです。木挽とは木を伐る職人のこと。「伐る」より「挽く」という文字を使います。かつて本欄で製材のことを記しましたが、大きな幅の広い鋸で木を挽く姿をイメージしてください。現在はチェーンソーが出現してとても便利になりました。「宴席では木挽職人は上座に座った」と桝谷会長が話すように、当時は貴重な技術者だとみなされていたのです。

木のサンプルと資格認定書
↑ 木のサンプルと資格認定書

昭和23年ごろに大阪にでた桝谷会長は、付き合いのあった材木屋さんで修業、昭和40年に個人商店として独立しました。法人改組は昭和50年です。独立前後から建売住宅に取組み、現在もなお住宅建設に勤しんでいます。「仲買は家まで建てないと食えない」が桝谷会長の持論です。

大工・工務店に木材を販売しているが開店休業の店が多い。大工に仕事を発注しているが建築の分からない大工が多く、逆に当社が大工の下請けをやっている、と同会長は時代の流れを慨嘆しています。

マスターシステムとは
↑ マスターシステムとは
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桝谷木材さんはログハウス部門でもパイオニア的存在です。大阪万博が終った頃ですから昭和45年ごろにログハウスに着手したそうです。その動機は「間伐材の利用」。今でこそ間伐材の利用は国家的な取組みになりましたが、今から40年前にそのことに気づいていたとは驚きです。結果的には手間がかかり普通の木(天然カラ松)で建てたそうですが、1億円以上から50万円前後のキットまで実績は数え切れないそうです。

桝谷会長はアイデアマンです。桝谷木材の「マスタニ」をもじった「マスターシステム」は木造住宅耐震工法の合理化認定を取得、金物工法では第1号の認定だったそうです。ご自身も特許を多数お持ちで、事務所の壁には各種資格や認定書が飾られています。また、750種類に及ぶ木のカットサンプルは貴重な代物です。年に数回「リフォーム生活」という小冊子(15頁)を発行して、得意先・ユーザーに配布して啓蒙活動を行っています。とにかく熱心です。

桝谷社長
↑ 桝谷社長

今政府は「超長期住宅」=「200年住宅」を推進し、国家予算をつぎ込んで「先導的モデル事業」への応募を募っています。もちろん、桝谷木材さんは自社で申し込む予定だそうです。「試験ばかりでお金がかかって仕方がない」とこぼしながらも、桝谷会長のチャレンジ精神に衰えはありません。

さて、いよいよ社長の桝谷雅彦さんの登場です。平成19年2月に社長に就かれました。昭和36年生まれ。追手門学院大手前中・高校から神戸大学工学部建築科に進学、卒業後は設計事務所で2年間修業されました。そのあとが素晴らしい。一人で1年間、ヨーロッパ・北アフリカ・中国等を放浪したのです。父上の理解と後押しがあったと聞きました。ベルリンの壁がまだ存在していたそうです。人生における貴重な体験ですね。

桝谷社長は1級建築士です。実弟の忠司氏が主に木材を担当しています。「木材は健康に良い。もっと木材の良さを分かってもらいたい」と話して下さいました。趣味は読書です。

桝谷会長、社長、長時間ありがとうございました。

桝谷木材株式会社

〒571-0003
門真市下馬伏140-5
TEL 072-883-1110
FAX 072-883-1181


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