今月のあなたの街の材木屋さん

第44回:株式会社西尾木材工業所(東大阪市中石切町)

こんにちは!三平です。

今月の「あなたの街の材木屋さん」は東大阪市中石切町2丁目の(株)西尾木材工業所さんです。地下鉄中央線新石切駅から北に15分ほど歩いた所に会社はあります。デンボの神さんで有名な石切神社に近く、生駒山の麓です。土曜日にも拘わらず応対してくださったのは社長の西尾良一さんです。

西尾社長
↑ 西尾社長
早速、西尾木材工業所さんのルーツから紹介します。
材木商への転進のきっかけとなったのは木箱でした。砂糖箱はもちろんサントリーオールド全盛時代には10万箱も売れたそうです。戦後の住宅ブームの影響で石切近辺の住宅化が進み、木材需要を見越して製材機を導入、同社は製材業に進出しました。昭和40年代はラワンや米栂を主体とした製材・加工・販売で隆盛を極めました。

外観
↑ 外観

自社で丸太の製材を行い、別挽加工(既製品ではなく、お客様の注文に応じて製材すること)向けに、モルダー(丸太製材からの製材品は粗挽きにため正確な寸法が出にくい。モルダーを通せば精度が保たれ表面仕上げが美しくなる)を導入しました。西尾良一社長は福井大学で建築を専攻。卒業後、3年ほど錢高組というゼネコンに勤務。昭和45年に家業の西尾木材工業所に戻られました経緯から、西尾社長は図面が描けます。施工図も問題ありません。その素養を活かしてマンションの内部造作分野に参入したのです。内部造作とは建具や枠、敷居・鴨居、天井、回り縁など構造材以外のジャンルの総称です。当時の内装材はほとんど木製でした。

エッジバンダー
↑ エッジバンダー

時代の流れとともに生活様式の洋風化が進み、内装部分の木材需要が減少していきました。危機感を募らせた西尾社長はラッピング機をドイツから導入、塩ビの集成材の生産を始めました。極めて早い時期の英断でした。西尾木材工業所は主に製造・販売、施工部門は別会社のウェストランバー(株)が担当しています。商売の三本柱は昔からの木箱、塩ビのラッピングそれに家具の製造販売です。家具といってもホテル、マンション向けの別注品です。この3本柱に加えて、最近では住宅用太陽光発電システム(シャープ)の普及販売にも取り組みました。

工場内
↑ 工場内

「内装工事はお手のもの。コンクリートさえ打ってくれたら、後は全部当社が責任をもって仕上げる」と話す西尾社長は夏休み期間中、自社敷地内で「親子木工教室」を開催しています。近所の小学生らが多数集まり、木に触れ楽しんでいるそうです。「休日には工場を開放して地域の特に高齢者の方に使ってもらい、木に触れていただきたい」と話してくださいました。

西尾社長はこう言います。「最近の若い人は人と接するのが苦手のようだ。物づくりの求人は楽だが営業では人が来ない」は求人の苦労談。同社は別会社を含めて50人強の社員がいます。福利厚生も整っており、社内提案制度も目を見張るものがありますが一番感心したのは礼儀。すれ違う社員全員が見知らぬ三平に挨拶されるのです。これには「まいりました」。

これからは「ベトナムに目を向ける。安い資材を手に入れないと競争には勝てない」と将来展望を語られた西尾社長、長時間ありがとうございました。昨年、大林組から戻られたご子息と一緒に頑張ってください。

株式会社西尾木材工業所

〒579-8014
東大阪市中石切町2-10-33
TEL 072-988-1201
FAX 072-988-1204

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