会館の形が見えてきました!(2012.10.16更新)

前回の更新から1ヵ月半ほど過ぎました。

基礎駆体工事が終わり、9月中旬頃からは掘削土砂を戻し、続いて土管配管、金物仕込み作業が行われ、その上にコンクリートを流し込み固める作業を、9月末頃までの間に行いました。 

10 月に入ると、今度は型枠組立、鉄筋組立、外部足場組立、コンクリート打設、養生の作業にとりかかり、中旬頃には建物の外観が少しずつ完成してきました。

建物の中央付近(右下写真)では、現在内部階段の設置作業が行われています。

 

12月の上棟式に向けて、新会館の工事は順調に進んでおり、次回の更新では、2階フロアの駆体工事の現場報告を予定しております。

 

こんにちは!あなたの街の材木屋さんの桔平です。
「あなたの街の材木屋さん」は今回で記念すべき第100回目を迎えました。これまでに取材に協力いただきました社長さんと読者の皆さまには大変感謝申し上げます。今後とも末永くご愛読いただきますようよろしくお願い致します。

         中杢の天井板

 杢目を立たせる「うづくり」に用いる道具

今回は摂津市の鳥飼銘木町にやってきました。ここ鳥飼銘木町には、大阪銘木協同組合という組合があります。大阪銘木協同組合は、大阪の銘木販売業者の方にとっては中心的な存在で、全国各地の原木や製品など各種銘木が一堂に集荷展示され、その組合員及び取引契約者を対象に市売りにて販売する銘木専門市場であるとともに、銘木の普及宣伝等の広報活動も行われています。取材当日は、偶然にも市日で、銘木組合の倉庫には、色々な種類の銘木が所狭しと並べられ、実際にセリや取り引きが行われている光景を目にし、多くの業者の方が真剣な眼差しで商品を見定めている様は迫力を感じました。
ところでここでおさらいですが、「銘木」という言葉について、「銘木」とは部屋の内装に用いられる木材であることを確認させていただきます。部屋の中で目に見える木材で、天然の美しさをもったものであれば、樹種の如何を問わず、それらは全て銘木と言われています。銘木の持つ、色、つやの美しさと杢目の妙、木肌から醸し出される温かさは、日本の木造建築、とりわけ和室にはなくてはならないものです。
今回の取材先は銘木屋さんでも「天井板の老舗」として、天井板を専門に取り扱われているお店です。取材文書を通じて、お店の紹介とともに、写真を交えて美しい天井板の魅力をお届けしたいと思います。

 

それでは、今回の取材先である泉源銘木さんについて、お店の歴史から順に進めていくことにします。お話をお伺いしたのは、店主の中出尚(たかし)さんです。

 
            社屋外観            事務所内の様子

泉源銘木さんは、昭和26年、大阪・横堀の坐摩神社の近くで創業されました。創業者は、現店主の祖父、中出源光さんです。お店の名称「泉源」の由来は、源光さんが大阪和泉のご出身であったことから、出身地から「泉」と名前から「源」を一文字ずつとって名づけたとの説があるようですが、定かではありません。当時から、現在に至るまで、杉の天井板を専門に取扱い、現在までその営業形態はほとんど変わりありません。
創業地の大阪・横堀は、江戸時代、大坂城築城に際し、西横堀川が開削されて以来、築城と町の開発に必要な木材が、土佐を中心とした諸国から集められ、木材流通業の中心地として材木商の集団が川筋に形成されていたと伝えられています。時代が昭和に移っても、横堀地区には、いわゆる屋形屋さんとともに、銘木街も活況を呈しており、各専門店であった床材店、天井板屋、雑木屋、磨丸太屋等は銘木店という名称に一本化され、銘木店という言葉が一般化していきました。昭和30年代頃から、これまで高級木材というイメージであった銘木が、加工方法の向上、接着や塗装技術の進歩、木工機械等の向上で、銘木の大衆化が表面に打ち出されました。そのような時代の変化を受け、横堀の銘木店も、今後の営業方法を模索する中で、大阪銘木協同組合とともに全面的な移転案が論議され、昭和40年頃、阪神高速道路が横堀川の上に設置されることとなり、多くの銘木店が摂津の鳥飼銘木町に移転し、同時期に泉源銘木さんも移転されたというわけです。その後、店主は先代の逝去により、昭和56年に中出昌男さんへ、そして、平成16年に現店主の中出尚さんとなりました。

        中出尚さん

それでは、ここで店主の中出尚さん個人についてのお話に移ります。
現店主の中出尚さんは、昭和37年創業地の大阪・横堀生まれです。小学校まで横堀で過ごされ、お店の移転とともに摂津市に移られました。昭和59年3月京都産業大学を卒業後、同年4月、東京の大手銘木店に入社されました。3年間の修行の後、家業に戻られました。
趣味は、家業に戻られた頃から始められたというテニスです。休日に何をすべきか考えた時、友人と一緒にテニススクールに通うようになったことがきっかけです。当初はほんの習い事程度に思っていたのが、今では、色々な大会に出場されたり、銘木団地内のテニスクラブの幹事や摂津市テニス連盟の理事を務められるなど活躍されています。

 

泉源銘木さんが天井板の専門店であることは先で説明しましたが、お店で扱われている樹種は全て国産の杉です。その理由は、天井に貼るので軽くて加工しやすい材であること、そして杢目が美しく装飾的に最適であること。これらの特長がある材が国産の杉材なのです。

       屋久杉杢天井板         杉柾天井板        出荷を待つ長尺材 

 

最後にお店のPRです。「天井板の老舗として天井板を専門に取り扱っています。世界遺産の屋久島の屋久杉杢天井板、霧島杉杢天井板など、現在では原木を伐採されない貴重な杉の稀少な杢柄の天井板や、数寄屋造りや茶室に使用される杉中杢天井板、秋田杉天井板、ヤナセ杉杢天井板を取り揃えております。その他に建具材としての柾板や腰板、戸板、厚板、棚板なども豊富に揃えております。建築用材だけでなく、茶托や花台など趣味で工作される方への杉材やテーブルの天板もございます。親切丁寧をモットーに掲げて営業しておりますので、どうぞお気軽にお立ち寄り下さい。」

中出さん、長時間の取材にご協力いただき、誠に有難うございました。

泉源銘木
〒566-0063
摂津市鳥飼銘木町8-10
TEL 072-654-5863
FAX 072-654-8731
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