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第91回:株式会社津村材木店(大阪市福島区吉野4丁目)(2012.1.6更新)

こんにちは!あなたの街の材木屋さんの桔平です。

今回は、大阪市の西北部に位置する福島区にやってきました。福島区は区内に多くの駅を有し、市内中心部へ、また、神戸方面へのアクセスもよい立地で、交通の要衝となっています。
 ところで「福島」という地名の由来は、菅原道真公が大宰府に流される中、この地に立ち寄ったときに名づけたと伝えられています。また、平家物語には元暦2年 (1185年)2月16日、源義経が平家追討ちに向かった時にこの地を訪れ、「渡辺・福島をいでて…」との記述が残っています。この周辺は湿地帯で細い川が縦横無尽に流れ、川沿いにはフジの花が咲き乱れるフジの名所として知られており、かつては足利義詮、豊臣秀吉らがフジ見物に訪れたとの記録もあります。
 また、福島区は多くの企業の発祥地として有名です。パナソニック(旧・松下電器産業)、オートバックスセブン、丸大食品などがそのルーツとしていることや、また慶応義塾の創始者 福澤諭吉は現在の福島区福島出身であり、外食産業では吉野家の創業者 松田栄吉氏が現在の福島区吉野出身であったことで屋号を「吉野家」としたことなど、福島区は日本経済の歴史を語る上でも欠かせない存在であるといっても過言ではありません。

 組合事務所から大通りを走り高層ビル群を抜けていき、住宅道路に入っていくと、住宅街の一角に材木店が現われます。今回の取材先の株式会社津村材木店さんです。
 到着するや否や社長さんが迎えて下さいました。それでは、早速、会社の歴史から順にお話しを進めていくことにします。応対して下さったのは、代表者の津村雅敏さんと専務取締役の津村芳雄さんです。

写真1
        社屋外観
写真2
     事務所外側から

 津村材木店さんの創業年は定かではありませんが、戦前に現社長の父 津村芳太郎さんにより個人の材木店として創業したのがその始まりです。当時の営業形態は、木材販売業ではなく、原木を仕入れてきて製品に加工する製材業者という形態であったようです。取扱材はシオジやナラといった堅木が主で、製品として加工したものを乗用車の部品やトラックの荷台に利用する用途でトヨタ自動車などの自動車メーカーに販売していました。昭和28年には個人の材木店から現社名の㈱津村材木店へと法人に改組されました。この頃、ほぼ同時期に取扱商品も車輌に用いる材料からブラシの柄に利用される材料としてブナ材の製材業者へと転換していきます。また並行して、大工・工務店に建築材を卸す木材販売業も行うようになりました。

 

写真3
     ロシア材 紅松

 昭和50年代頃からは、建築材料の販売とともに製材業者としても盛んでしたが、取扱商品は変わり、紅松と呼ばれるロシア材の原木を仕入れて、機械の型を造る際に用いる木型材へと加工し、鋳物業者に販売する仕事が主になりました。当時はとても忙しく、10人ほどの従業員を抱えることもありました。

 時代が平成に入ってからは、周辺に住宅が多く建ち並び、近隣との関係もあり製材業をすることが困難となりました。製材加工の際に出る騒音やオガクズ、そして端材処理で木を燃やすことで煙やすすが出るということで製材業から撤退することとなりました。そこで、木型材については販売を専門とするとともに、大工・工務店に建築材を販売する業者へと業態を変化させていきました。

 

写真4
 左が津村社長、右が津村専務

続いて、 津村社長個人のプロフィールに移ります。津村雅敏さんは、昭和18年西宮で生まれ、現在も西宮市在住です。県立鳴尾高校を経て甲南大学を卒業後、すぐに家業である津村材木店に就職しました。「学生の頃から材木を担いだり、配達したりと手伝っていたこともあり、父から言われるまでもなく自然にこの仕事をするような流れになっていました。」と当時を振り返る津村社長。趣味はゴルフです。
 ここからは、話題を会社の将来や方向性ということも含めて現社長の御子息で専務取締役 津村芳雄さんにお話を伺います。津村芳雄さんは昭和48年、西宮市生まれです。専門学校を卒業後、大阪市内のホテルに就職され、厨房での調理を担当されていました。平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災の影響により、家業が忙しくなり人手が足りなくなったことから、ホテルという異業種から家業に移ることとなりました。異業種からの転身ということから当初は材木業という仕事で戸惑うことも多かったようです。特に「図面上の標記がメートルやセンチメートルなのに、口頭では1尺、2尺といった尺貫法になることや、住宅に尺モジュールやメーターモジュールとが混在する単位の違いなど戸惑うことがありました。」と津村専務。

一方、異業種からの転身ということで、一般消費者に近い視点から従来の材木店が変わっていかなければならないことも感じておられ、「一般消費者にとって材木店はホームセンターと比べてまだまだ敷居が高い存在と考えられがちであるので、お店に入りやすい雰囲気作りが大切である。」との考えから、昨年自社のホームページを立ち上げられました。内容は、会社案内・取扱商品・設備紹介といった内容ですが、今後は、ホームページを通じて、一般消費者と接点を持つことにより木材についての問い合わせから本格的なビジネスに発展することが期待されています。

写真5
     倉庫内部の様子

 「当社は建築業者への納材を業としているものの、売り先が廃業等で少なくなっている状況にあり、納材とともに工事を請け負うべきか悩んでいたこともありました。現在は、直接工事を請負うことはなく、売り先である建築業者と材木店である当社が、お互いに不足している部分を補って、共に繁盛する方法を模索しています。」とこれから進むべき会社の方針について語る津村専務。

 

最後にお店のPRです。大阪市福島区で創業60年の津村材木店です。

写真6
 木材加工に用いる昇降盤

リフォーム、新築に関する木材の加工(自動カンナ・昇降盤・超仕上げ加工機・手押し加工機など加工設備を取り揃えています。)販売、及び新建材・住宅設備機器の販売をしております。一般の方のお問い合わせも歓迎致します。新築 リフォーム介護福祉住宅 DIY材 木工材料、耐震改修、木材の種類相談、木材加工など、お気軽にご相談ください!

社長さん、専務さん長時間の取材、誠に有難うございました。


株式会社津村材木店
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TEL 06-6468-3851          
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