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第88回:有限会社藤原商店(大阪市阿倍野区阪南町3丁目)(2011.10.6更新)

こんにちは!あなたの街の材木屋さんの桔平です。
今回は、大阪市南部、阿倍野区へと取材にやってきました。阿倍野区は、上町台地の南の高台に位置し、湿地帯が多く、軟弱な地盤がほとんどの大阪市にあっては比較的、地盤が強固な地域といえます。古くから大阪南部の交通の要衝として栄え、名所・史跡も多く、住宅・商業の町として発展してきました。
 特に、阿倍野橋・天王寺は、大阪の南の玄関口として各種の交通機関が終結し、1日平均82万人の乗降客が行き交う大ターミナルです。主要駅周辺は、活気ある商業地区であるものの、全体としては閑静な住宅地という雰囲気です。
また、阿倍野区は高齢化率は市内でも高位で、今回の取材先の社長さんのお母様も現在101歳でまだまだお元気です。そのお母様も、かつては材木店の店主としてお店を切り盛りしながら、幼い5人のお子さんを育てあげた逞しい明治生まれの女性です。

それでは、早速、会社の歴史から順にお話しを進めていくことにします。応対して下さったのは、現社長の藤原宗一郎さんです。

写真1
         店舗外観

藤原商店さんは昭和8年、現社長の父にあたる藤原安吉(やすきち)さんにより現所在地で創業されました。当時の社名は安吉さんの名前からマル安商店といわれていたようです。商いの形態としては、木材を地域の大工・工務店に販売する典型的な仲買さんで、それは現在にあってもほとんど変わっていません。その10年後、日本は第二次世界大戦下にあり、安吉さんも兵隊として招集され、昭和19年ニューギニアで戦死されたそうです。当時、現社長が小学校3年生のできごとです。 戦後は、現社長の母が店主として、材木店を経営されていました。幼い子ども5人を育てながらのお店の経営は、大変な苦労があり、当時は戦争の復興需要で木材は大変よく売れていましたが、中には売上を回収できないこともあり大変な損害を被ったこともあったようです。また、女性ながらもお店の木材を担いでいたと聞き、母として、1人の経営者として私自身も本当に頭が下がる思いがしました。
 その頃から、5人の子どもの中から誰かが材木店を引き継いでくれるであろうとの期待があったようですが、昭和30年に現社名の有限会社藤原商店へと法人に改組されたのと同時に、現社長が学校卒業とともに家業に就かれたそうです。「その当時は、1ヵ月のうち休みが1日と16日だけで、土日はリアカーを引いて配達をしていました。また、台風の予報が出た時は、杉板がとぶように売れたいい時代でした。」と当時を振り返る藤原社長。

続いて、藤原社長個人のプロフィールに移ります。 

写真2
         藤原社長

 現社長の藤原宗一郎さんは、昭和10年、阿倍野区生まれの現在76歳です。
 地元の学校から天王寺商業高校を卒業後、家業に入られました。学生時代から野球に親しまれていたことから、木材業界団体の野球大会でも地域代表として活躍されました。
 趣味は、野球とゴルフ。そして最近、文化サロンを通じて始められた中国語と「歴史について語る会」という講座に定期的に通われているようです。


 

写真3
      事務所内の様子
 

「10年程前から、木材・建材の販売とともにリフォーム事業も行っている。近年、木材の売上が減少してきた分を工事をやることでカバーしています。」と自社の現状について語る藤原社長。
また、これからは木材以外の建築に関する新しい知識や技術の勉強をしていかなければいけないと思う。国が推進するエネルギー対策も考慮しながら、例えば、屋上緑化や窓ガラスに貼る遮熱フィルムについてなど、また、大工・工務店の手助けになることもやっていかなければならないと感じている。
 さらに、以前は売り先が大工・工務店といった建築のプロだけを対象としていたが、これからは一般消費者にまで広げていく必要があることから、対人マナーや接客についても気を付けていかないと生き残っていけない。そのため今後の材木店の有り方として顧客に役立つ新しい時代の流れにそった住まいの新商品・知識を採り入れることから、接客の大切さに至るまで、時代に適応していくべきとの考えを示されました。

 写真4
    歴史を感じる倉庫内部

 

最後にお店のPRです。
 昭和8年から、地域社会とともに歩んできた材木屋さんです。
何事も『出来ません』という前に『やってみます』をモットーに誠実に仕事をする藤原商店です。木材をはじめ建築に関するあらゆるご要望に至るまで、是非ご相談下さい。

社長さん長時間の取材、誠に有難うございました。

有限会社藤原商店
〒545-0021
大阪市阿倍野区阪南町3-10-16
TEL 06-6621-0953
FAX  06‐6624‐3017
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