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第101回:上田木材㈱(大阪市大正区鶴町1-1-50)(2017.7.28更新)

こんにちは!あなたの街の材木屋さんの桔平です。
「あなたの街の材木屋さん」は今回で第101回目ということで新たなスタートを迎えました。これからも大阪府内を中心に色々な材木屋さんを紹介していきますのでよろしくお願いいたします。
さて、材木屋さんといってもこれまで取材させていただいた中にも色々なお店がありました。多くは大工・工務店などの建設業者に販売する建築材料としての木材を取り扱うお店でしたが、中には、名栗加工専門店、空調機器の枠材、外構やエクステリア材、天井板やテーブル用材を扱う銘木屋さん、と実にたくさんの種類のお店がありました。今回は、梱包用の木材を専門に取り扱う材木屋さんです。主には、重量のある機械製品(重量物)の輸送に利用する梱包用木箱、また、倉庫内の作業で用いる木製パレットの製造用の木材をメーカーや梱包業者、木箱業者に納める仕事をされる材木屋さんです。今回はどんなお話になるのでしょうか。
大阪市西区の組合事務所からは、車で10分少々で今回の取材先に到着しました。
それでは、会社の歴史から順にご紹介いたします。

倉庫外観

上田木材さんは、昭和25年8月、上田静夫さん(現社長の祖父)により個人商店として創業されました。上田静夫さんは岡山県備前市出身で、岡山県から上阪、木材店で修行された後独立し、大阪市天王寺区に本社設立。会社の称号を「備前」としているのも、出身地に由来しています。建築材の方も多少は取り扱っておられましたが、創業当初より、梱包用の木材を主力商品として営業を開始しました。
昭和28年12月には、個人商店から株式会社に改組され、現社名の上田木材株式会社を設立(代表取締役は上田静夫さん)されました。その後、昭和30年代には、高度経済成長期とも重なり、取扱い数量や会社の規模も徐々に拡大していきました。
平成5年2月には、2代目社長として上田茂さん(現社長の父)が就任されました。

所狭しと商品が並ぶ倉庫内部

その頃も梱包用の木材を専門として取扱い、創業時と営業形態は変わりませんでした。
平成10年から、現社長の上田益稔さんが家業に戻られ、平成17年に前代表の上田茂さんの急逝により、上田益稔さんが3代目社長に就任することとなりました。

それでは、ここで現社長の上田益稔さん個人についてのお話に移ります。
その話題に移るや否や、上田社長から、私に対して突然の質問です。僕の名前、「益稔」は何て読むか分かる? 特に自信もなかったのですが、直感を元に「よしなり」さんと読むのですか? と返事したところ、何と正解しました。社長さん曰く、初対面で正確に答えられたのは私が初めてとのことです。

上田益稔社長(右から2番目)と従業員の皆さん

上田益稔さんは、昭和47年、大阪市天王寺区生まれです。地元の小学校、中学校を経て、私立上宮高校に進まれました。高校まで自宅から歩いて10分圏内のところに通学されていたこともあってでしょうか、大学は親元を離れ、高知大学教育学部に進まれました。大学卒業後、高知県中村市(現、四万十市)の就職先を紹介されたことで大変迷われたようですが、ご家族の「できれば就職先は、大阪へすぐに戻ってこられる陸続きにしてほしい」との強い要望があり、滋賀県の生活協同組合に就職。約5年の勤務を経て、家業に戻られました。

趣味は、元々、自然と触れ合うことが好きなようで、キャンプ、カヌー、サーフィン、スノーボードなど活動的な方です。
また、最近では、先代の影響から始めた「修験道」に取り組まれています。修験道(しゅげんどう)は、山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰ですが、「家業を手伝うようになった当時は、経営者である父と仕事に関して衝突することが多かった。しかし、父亡き後、勧められて始めた修験道だったが、奈良県の吉野や洞川に行き、また大峰の山道を抖櫢(とそう)すると、自身が経営者となった今、当時の父の経営者としての気持ちが徐々に理解できるようになり、なぜ父がその活動をこよなく愛していたかがよく分かりました。」と修験道を通じて、亡き先代について述懐される上田社長。

作業の様子 製材加工の様子

先代の急逝により、30代半ばと若くして経営者となられた上田社長。社長就任当初は、その責任の重さから大変な苦労もあったかと察しますが、まず一番に取り組まれたことは、新規開拓ではなく、既存の販売先や仕入先との関係を一層強化することでした。「当社の仕事は、もちろん販売先も重要ですが、何といっても商品を安定的に供給してもらえる仕入先の存在が欠かせません。しっかりとした仕入先があってこそ、販売先の要望にも対応できる。その信頼関係の構築が何よりも重要と考え、既存のお客さんとの関係を密にするよう心掛けました。」と、自社の経営について考え方を述べる上田社長。

国産ヒノキ材 ラジアタパイン

ところで、梱包用材に利用する木材はどんな樹種なのでしょうか。上田木材さんでの取扱製品は、住宅部材にも用いる国内産の杉、ヒノキが全体の約4割、ラジアタパイン(NZ松・チリ松)と呼ばれる外国産のマツ科の樹種が約6割を占めます。「成長が早く、安定供給が可能なラジアタパインなしでは、現地挽・内地挽を問わず、この業界はあり得ない。しかし、今は様々な要因から国産材需要が増加し樹種が入り乱れている。梱包材にも適材適所がある。」と上田社長。
最後にお店のPRです。大阪市浪速区で梱包用の木材を専門に取り扱う上田木材株式会社です。材料の供給から、製品の製造に至るまで、木箱・梱包用木材の専門家としてお客さまのお役に立てるよう誠実に対応いたします。木箱・梱包用の木材についてご質問などあれば、是非ご相談ください。

上田社長、従業員の皆さん、長時間の取材にご協力いただき、誠に有難うございました。

上田木材株式会社
〒551-0023
大阪市大正区鶴町1-1-50
Tel 06-6556-3500
Fax 06-6556-3600
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