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第83回:株式会社大白木材(大阪市住之江区平林南2丁目)(2011.5.10更新)

皆さんこんにちは!あなたの街の材木屋さんの桔平です。
 今回は大阪の南港―平林地区―にある材木屋さんの取材にやってきました。
南港地区にはニュートラムという大阪市交通局のコンピューターで自動運転する乗り物が走っています。最近でこそ珍しくもありませんが、1981年の開業当時は、神戸市のポートライナーに次いで、日本で2番目の無人運転の乗り物として話題にもなったんですが…。
住之江公園駅からニュートラムに乗ってしばらくすると、目の前に巨大な倉庫群が広がってきました。木材業関連の倉庫も結構あります。そうです、平林という土地は、大阪の、いや、かつては日本有数の材木の街…でした。

 大阪の材木商の歴史から触れますと、江戸時代、大阪城築城時に日本各地から大阪に多くの材木商が集まってきたことにさかのぼりますが、築城が終わると材木商は海に近い今の大正区あたりに移転させられていきました。昭和20年代に入ると、大阪市の再開発事業により、大正区から平林へと多くの材木屋さんが移転し、今日の平林地区を形成していきました。平林は大阪のウォーターフロントとして輸入木材全盛の昭和40年代には、西日本一の木材団地として一世を風靡しました。かつては関西地区の材木集積地として名を馳せていた平林も、近年では、都市化に伴い貯木場などは縮小され、かつての「材木の街」の面影は薄れつつあります。
 ここで、皆さんに木材に関する質問です。
なぜ、材木屋さんは貯木場を作って材木を水に浮かべて保存していたのでしょうか?
その答えは、木材は乾燥に弱く、曲がったり割れたりするのを抑えるためです。割れたり曲がったりする現象を「暴れる」と業界では呼びます。

 前置きはそれぐらいにして早速、会社の歴史と社長さんが木材業に携わるに至った経緯を絡めてお話しを進めていきます。
 応対して下さったのは、取締役社長の山川衛さんです。

 写真1  写真2
                   倉庫外観                  倉庫内事務所

 
 山川衛社長は、鳥取県のご出身です。家業が木材業ではなく、元々材木店の仕事を希望したわけでもなかったそうですが、高校卒業後の昭和31年就職のため大阪にやってきて、当時の阿倍野の職業安定所で材木店を就職先として紹介されたのが始まりです。山川社長はその材木店で3年間修行されるわけですが、その修行の間に当時市場のセリで偶然に一緒になった先代と意気投合して、昭和34年に大白木材さんに入社することとなりました。
 「当時の私のような若い従業員が木材業界のお歴々と並んで商品をセリ落とすのは至難の業であった。あの人がきたらもうその商品はあきらめようとさえ思ったものですよ。」と山川社長。ご自身も市場で木材業のいろはを学び、鍛えられてきたと語るとおり、商品をセリ落とすためにその方法を工夫、また、いかに問屋の人と仲良くなって取引の上で有利にしてもらえるか、色々と思案されたようです。その当時に苦労した経験、そして、当時からの人間関係が現在の商売にも生きていることを強調されます。

ところで、大白木材さんは、元々は、大工・工務店に対して、建築材料としての木材を販売する典型的な屋型屋さん(仲買業者)であったようです。

写真3
      主力商品のスプルース

同じ、平林の関西木材市場の近くに移転したことをきっかけに商いの形態を変え、工務店や建築業者から材木店相手の商売へと転換していきました。取扱い製品も主に外国産の木材がメインとなります。スプルース(注1)の別挽など木材加工へとその形態を変え、ここからほぼ現在の商いに近いものとなります。「内装・造作に使うスプルースは当時はどこも取扱いが少なく、競合がなかった。」と山川社長。
(注1)スプルース…マツ科トウヒ属の常緑針葉樹の総称。北半球の亜寒帯に広く分布する。材を建築材やパルプに用いる

写真4
       木材加工機械

そんな中、昭和49年に株式会社へ組織変更し、現在の社名となります。大型の加工機械を続々と導入し、木材加工を人的な作業から機械化へと転換させていきます。「商品の仕入れのためなら、日本全国はもとより場合によっては海外に直接買い付けにいくこともあります。もちろん半分趣味的なものもありますが…」と笑って語る山川社長。材木屋さんにとって仕入れる商品を見極める目ききが大変重要です。遠くへいってもその目に適うものがないこともあるといいます。地球の遥か彼方ブラジルから数か月かけて商品を大量に輸入されることもあるようで、そのスケールの大きさを感じます。

写真5
          山川社長
  ここで、山川社長個人のお話に移ります。
  山川衛社長は、昭和12年鳥取県生まれ
 の73歳です。昭和31年に高校卒業後、上
 阪され材木店で修業の後、大白木材さんに
 入社されました。代表就任は昭和56年のこ
 とです。趣味は業界関係者とのゴルフやお
 酒だそうです。とても人当りがよく、お話好き 
 な印象である方です。
           

「材木屋さんの商売は工夫が必要。プレカット加工に従来の流通形態が壊されてきている。誰でもできるような仕事をしているようでは生き残れない。材木屋さんにしかできない仕事を考えていかないといけない。少しでも、小さいものでも日々の仕事に工夫を加えることが必要だと思います。」と木材を商いとするものとしての考えを語る山川社長。

写真6
スポーツクラブのサウナに用いるマルパー材
 

 最後に会社のPRです。
「スプルース」と「ピーラー」多少に拘わらず別挽致します。長尺・幅広(1.3mまで)材加工致します。(サンダー仕上)。神社仏閣等の丸柱からクリ棒まで加工致します。商品の品質、納期には自信があります。
 木材、加工に関するご相談なら何でもご用命ください。

 
 

山川社長、ご協力いただき誠にありがとうございました。

株式会社大白木材
〒559-0025
大阪市住之江区平林南2-12-9
TEL 06-6685-2828
FAX 06-6685-2829
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